書店が人生を変えることもある

eto2009-10-05

ちょっと前になりますが、角谷さんのプレゼンが感動的だったので紹介します。
http://kakutani.com/20090915.html#p01
角谷さんはこれまでも素晴しいプレゼンをされていますが、その中でも一番素晴しいプレゼンだと思いました。自分がどう形作られたのかを卒直に語っていて、「あーそうなんだよなー」と思いました。特に33枚目。「ジュンク堂書店池袋本店6F」で「コンピュータ書籍売場で3冊の書籍に出会う」、これが人生を変えたきっかけになったとのこと。そうなんですよね。おっしゃる通りです。私の人生も書店で変わりました。私の場合は、紀伊国屋書店新宿本店でした。学校帰りに毎日ここに寄って立読みしていました。たまに買ってました。今にして思えば紀伊国屋書店は非常に特殊な書店で、普通は書店売りしてないような本が置いてありました。例えば「試行」という雑誌をよく立ち読みしていました。買ったこともあります。今にしてみれば全部揃えておけば良かったと思いますが、そういうわけにもいかなかった。でもとりあえず立読みで目を通して頭に叩きこむことで、今の自分が形作られたのだと思います。
Web中心の生活を送っていると、ついつい「Amazonがあればそれでいいんじゃないか」と思ってしまいがちです。でもそれは間違っている。少なくとも自分の体験とは異なる。私は書店のおかげで成長することができました。このすごく当たり前のことを、角谷さんのプレゼンのおかげで思い出すことができました。素晴しいプレゼンに感謝します。
で、「ジュンク堂書店池袋本店6F」に戻ります。7月10日の「パターン、Wiki、XP」の発売に合わせて、「時を超える名著の祭典」というフェアを開催していただいたのですが、なんと約2ヶ月たった今でも続いているのだそうです。Twitterで知って驚きました。
http://twitter.com/cmdrj0hn/status/4611849118
こういうフェアは普通はすぐ終わってしまうのですが、発売2ヶ月後の今も続けているということから、書店の意志が伝わってきます。このような「書店の意志」が客に伝わることで、書店の方向性が作られているのだと思います。自分が育ってきた紀伊国屋書店にも「書店の意志」があったのだということを、ようやく理解しました。
このフェアでは、アレグザンダー「時を超えた建設の道」「パタン・ランゲージ」、磯崎新「建築の解体」など、本書に出てくる重要な参考文献が並べられています。手に取って読んでみた上で、購入することができます。実際に見た上で買えるというのは大きなメリットだと思います。本書を読んで、その背景を気になった人は、ぜひ書店でこれらの本に目を通していただければと思います。
もちろんリアル書店には限界もあります。重要な参考文献「形の合成に関するノート」は置いてありません。絶版だからです。こちらはAmazonを頼るといいのではないかと思います。無茶苦茶高いですが。

形の合成に関するノート

形の合成に関するノート

ということで、書店が人生を変えることもあるというお話でした。